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国や地方公共団体の「受動喫煙防止」に対する責務と試みについて

国や地方公共団体には、受動喫煙を防止する責務があります。しかしそれは、どのようなものでしょうか。2018年に改正され、今も段階的に施行されている改正健康増進法では、国や地方公共団体の受動喫煙防止に対する責務を、公表しています。ここではその内容についてわかりやすく解説します。

受動喫煙防止のための3つの責務~国・地方公共団体がすべきこと~

国や地方公共団体には、受動喫煙を防止する責務があり、この責務を果たすために主として3つの方針を打ち出しています。これらを簡単に要約すると以下のようになります。

(1) 「受動喫煙の防止に努める」
(2) 「公共の施設の関係者は、受動喫煙防止対策のために相互に連携する」
(3) 「受動喫煙防止に関する調査研究をする」

3つの方針について、厚生労働省の説明をもとに解説していきます.

(1)「受動喫煙の防止に努める」

国は受動喫煙防止の責務を果たすために「受動喫煙の防止に努める」と述べています。この「努める」の内容は、「①周知啓発 ②喫煙専用室等の設置に係る予算・税制上の措置 ③屋外における分煙施設」とされています。これは、次のように言い換えることができます。

①「受動喫煙の害や防止方法についてみんなに知らせる」
②「喫煙室の設置を支援する」
③「屋外の分煙を徹底させる」

具体的な活動内容について簡単に見ていきましょう。

①「受動喫煙の害や防止方法についてみんなに知らせる」

政府は、「受動喫煙の害や防止方法についてみんなに知らせる」ために、現在パンフレット等の配布活動を行っています。また、無料で受動喫煙防止対策のための講師の派遣なども行っています。さまざまな方法で人々を啓発することで、受動喫煙に関する意識を変えていこうというのが狙いのようです。

②「喫煙場所の設置を支援する」

喫煙室等の設置には相応の費用がかかってきますが、政府はすべての中小企業の事業主に、上限を100万円として喫煙場所設置費用の1/2を援助するという支援を実施しています。無料で空気環境の測定機器の貸し出しも行っていますので、気軽に会社の空気環境について調べることもできます。

※喫煙室や空気清浄機では、受動喫煙・三次喫煙による被害は完全には防げない?
「誤解しがちな喫煙対策の真実」はこちら
https://workplace-kinen.t-pec.co.jp/list/detail/id=273

③「屋外の分煙を徹底させる」

徹底されていない「分煙」のせいで、受動喫煙をしてしまった経験はないでしょうか?国も地方自治体も、この分煙を強化する方針を取っており、設備にかかる費用などの支援を行うとしています。また、2019年7月から、子どもたちが通う学校やさまざまな人が利用する病院、公的機関の施設などでは、受動喫煙の害を重んじ、屋外の喫煙所も設けないという「敷地内全面禁煙」になっています。

次に、残りの2つの方針について、説明していきます。

(2)「公共の施設の関係者は、受動喫煙防止対策のために相互に連携する」

受動喫煙防止対策を効果的に進めていくためには、多くの管理責任者と連携することが重要です。具体的な連携の方法に関しては、その地域や状況で異なりますが、たとえば国と各地の商店振興組合や企業組合などの事業主団体等が協力し、各企業や店舗への啓発を行うなどのことが現在は考えられています。また、喫煙のできる飲食店や喫煙者用の飲食店などのリストを作成し、登録店舗を掲載するなどの努力も行われるようです。

(3)「受動喫煙防止に関する調査研究をする」

さらに国・地方公共団体の責務として、受動喫煙防止対策に関する研究するというものがあります。特に加熱式タバコに関する研究の推進が望まれているようです。研究を前進させることで、より正確で効果的な受動喫煙防止対策ができることが見込まれています。

現在、国や地方公共団体は、協力して受動喫煙防止対策を行っています。国民の健康を守り、住みやすい社会を実現するためです。そのためには、国や地方公共団体自体が、受動喫煙防止対策に対する責務を果たし、各事業主団体と協力し、研究の成果に基づいて対策を進めていく必要があります。国と地方公共団体の受動喫煙防止に対する責務は、「受動喫煙の防止に努める」「公共の施設の関係者は、受動喫煙防止対策のために相互に連携する」 「受動喫煙防止に関する調査研究をする」の3つです。今後、これらに基づいて、望まない受動喫煙が社会からなくなっていくことが期待されています。

執筆:株式会社ダリコーポレーション 髙山善光(たかやまぜんこう)

<参考>
・厚生労働省「健康増進法の一部を改正する法律案 概要」
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/196-11.pdf
・厚生労働省「受動喫煙防止対策助成金 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049868.html


カテゴリー : 喫煙と法律問題

キーワード : 受動喫煙 / 分煙 / 喫煙対策の進め方