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東京都の受動喫煙防止条例の目的とは?違反したらどうなるの?

2018年7月に改正された健康増進法とあわせて、東京都では「健康ファースト」の名のもとに、2019年1月1日から受動喫煙防止条例が施行されています。この受動喫煙防止条例の施行は段階的に行われ、まず2019年1月1日に東京都や東京都民、保護者の責務についての条項が、つづいて2019年9月1日に公的な施設の敷地内禁煙や、飲食店に対する店頭表示義務などについての条項が施行されます。さらに2020年4月1日には、店内の禁煙や罰則に関する条項などを含む、すべての条項が施行されます。それでは、それぞれの内容について、見ていきましょう。

受動喫煙防止条例における「受動喫煙」の意味~取り締まるタバコの種類~

まず、東京都の受動喫煙防止条例における「受動喫煙」の定義を見てみましょう。受動喫煙防止条例が制定された背景や目的については、「改正健康増進法」で触れていますので、そちらを参照ください。

※「改正健康増進法とは?受動喫煙防止対策の背景や目的について」
https://workplace-kinen.t-pec.co.jp/list/detail/id=316

東京都の受動喫煙防止条例では、「受動喫煙」を「人が他人の喫煙により、タバコから発生した煙にさらされること」と定義されています。「タバコから発生した煙にさらされること」と言われると、灰や煙を出さないと宣伝している加熱式タバコは例外のように思えますが、加熱しているためアウトになります。一方で、「かみタバコ」や「かぎタバコ」は現在のところ規制の対象にはなりません。では、2019年1月1日から施行される東京都や東京都民、保護者の責務から順に見ていきましょう。

東京都や東京都民、保護者の責務について

東京都や東京都民、保護者の責務を一言で言えば、「受動喫煙になりそうな環境を作り出さないように努力する」ということになります。具体的な内容については、次の通りになります。

・東京都の責務
受動喫煙の悪影響を防止するための施策や啓蒙を行い、必要な事柄ついては都民との連携を組んで改善に努めること

・東京都民の責務
喫煙および受動喫煙が健康に与える悪影響について理解を深め、他人に受動喫煙させないように努めること

・保護者の責務
未成年の健康に、受動喫煙による悪影響がおよぶことを防止するよう努めること

施設の敷地内禁煙について

次に、2019年9月1日以降から始まる「公的な施設の敷地内禁煙」と、2020年4月1日から始まる「従業員のいる飲食店での禁煙」について解説していきます。概要は、以下の通りです。場所の公共性や用途によって禁煙区域が変わってくるのがポイントです。

・原則敷地内禁煙にすべき施設(喫煙所を屋外に設置するのはOK!)
大学・医療機関・行政機関や、バス・タクシーなどの公的な乗り物については、原則敷地内での喫煙が禁止になります。これまでは屋内に喫煙場所を設けることで対応していた施設も、屋外に設置しなければならなくなります。

・原則敷地内禁煙にすべき施設(喫煙所を屋外に設置するのもダメ!)
未成年のための施設(幼稚園・保育所・小学校~高等学校)は、屋外に喫煙所を設置することもできません。実質上、全面禁煙にしなければなりません。

・原則屋内のみ禁煙にすべき施設(喫煙室を設置すればOK!)
多数の利用者が使用する施設(スポーツ施設、ホテル、従業員のいる飲食店など)では、喫煙場所以外は原則全面禁煙にしなければなりません。部屋をガラス戸で区切るなどの分煙も禁止です。ただし、喫煙室内でのみ喫煙が認められます。また、飲食店の場合、原則全面禁煙の対象となるのは「従業員のいる飲食店」であり、個人または資本金5000万円以下の中小企業が経営する、従業員がいない飲食店に限っては、店舗の判断で禁煙にするかどうかを選択することができます。

喫煙室の設置や標識の使用について

また、今後喫室を設ける際には、東京都の定める技術的な基準を満たし、喫煙室であるための標識を掲示する必要があります。さらに、喫煙室は未成年を立ち入り禁止にしなければなりません。都が定める喫煙室の基準は、次の通りです。

喫煙室の出入口から漏れる空気の気流が0.2m/秒以上
タバコの煙を外に出さないように、壁と天井で覆われている
タバコの煙が屋外または外部に排気されている

違反した場合の行政処分について

さらに、東京都の受動喫煙防止条例では、以下の違反をした人には5万円以下の過料(違反金)が課せられるとしています。

・すべての人が対象となるもの
喫煙禁止場所において喫煙し、退出の命令にも従わない者。また、紛らわしい禁煙の標識を掲示している者、あるいは標識を汚損した者。

・施設等の管理者が対象となるもの
改善命令に従わない者。標識を掲示していない者。必要な書類などを喫煙室に備え付けていない者。また虚偽の報告をしている者。さらに、立ち入り検査を拒否する者や、立ち入り検査の妨害や虚偽の答弁を行った者。

以上、東京都の受動喫煙防止条例について、見てきました。今回の条例の目的は、未成年が受動喫煙にならないように配慮し、東京都民の健康を守ろうというものです。

執筆:株式会社ダリコーポレーション 髙山善光(たかやまぜんこう)

<参考>
・東京福祉保健局「東京都受動喫煙防止条例について」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kensui/tokyo/file/0020190329.pdf
・東京福祉保健局「条例の対象施設のポイント」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kensui/tokyo/file/jorei_taisyoshisetsu2.pdf
・東京福祉保健局「責務【第三条~第五条】」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kensui/tokyo/file/jorei_sekimu.pdf


カテゴリー : 喫煙と法律問題

キーワード : 受動喫煙 / 喫煙対策の進め方