企業の喫煙対策に役立つ様々な情報をご紹介します。

新年の禁煙を成功に導くには?

新年は禁煙をはじめる従業員の方も多いのではないでしょうか。彼らの禁煙を継続させるためには、“禁煙方法”や“目標設定の仕方”等について情報発信することがとても有効です。そこで今回は、東京女子医科大学で禁煙外来を担当する阿部眞弓医師に「成功する禁煙」をテーマに伺いました。是非、職場の喫煙者の皆様にご紹介ください。

**********************************
毎年、元日から禁煙をはじめることにしている、という喫煙者の方がいらっしゃいます。
例年通り、3日目に、あえなく撃沈、とならないように、今年の禁煙チャレンジは、いつもの年とは違うものにしてみませんか?
今回は、「成功する禁煙」をテーマにお話しします。

今すぐ禁煙したい方は、禁煙を始める前に、まず次の3つのことを意識してみてください。
「A.今回の禁煙理由はなにか?」
「B.禁煙できたら生活はどのように変化する?」
「C.禁煙したからこそできる、楽しいこと」
この3つを考えて、ノートに書きだしたら、あとは、計画を立てましょう。
少し例を挙げてみますね。

「A. 今回の禁煙理由はなにか?」

・前から禁煙したかったので、区切りのいい年の初めにしようと思った。
 ・家族から禁煙を勧められていたが、この際、禁煙して家族の喜ぶ顔が見たい。
 ・健康に気を付けてきた。たばこは、発がん性物質が多量に含まれている商品だ。購入し続けていたのは自己矛盾であることに気付いた。
・定期健診で、糖尿病のデータが悪かった。喫煙していると糖尿病にかかりやすくなると、医師から告げられ、禁煙を勧められた。
・以前の禁煙を褒められた。今度こそ、禁煙に成功したい。
・会社で肩身が狭く、そんな自分とさよならしたいんです。
などなど。

「B. 禁煙できたら生活はどのように変化する?」

・1時間ごとに吸いに行かなくてよくなる。まとまった仕事ができる。
・娘や息子から、「なんであんな危険なものを吸うの?」と言われていたが、成功すればバカにされなくなる。
・次回の検診データが良くなる。
・会社で、周囲の非喫煙者から、「迷惑!」という目で見られてきたが、それがなくなる。もしかしたら、コミュニケーションが良くなるかもしれない。
・タバコグッズを持たなくてよくなる。
・家族や友人と食事に行ったとき、1時間たつと、吸いたくてそわそわしていたが、
料理や会話を心から楽しめるようになる。
・病院に行ったら、これからは褒められるぞっ! もう、医師から「禁煙してください」と言われなくて済む。

などなど。

「C.禁煙したからこそできる、楽しいこと」

・カラオケで、よく声が出るだろうなあ。
 ・タバコを吸わない友人と心おきなく会える。
 ・病院ボランティアや介護施設のボランティアができる。
 ・海外旅行や、国内旅行も、喫煙所を探さなくてよくなる。
 ・タバコに縛られて1時間ごとに吸う生活とさよなら! 
・自由に時間を使い、自由に生きられる!  など。

いかがですか? 

禁煙を決めたら、注意することは、区切りの日をあまり遠い目標にしないことです。
「これまでは3日は禁煙できた」というかたは、4日目の朝を目指しましょう。
正月は、アルコールも入る機会が多いですが、アルコールの刺激で喫煙したい気持ちが出てくることがあり、要注意です。
何回か禁煙したことがある人は、前回の禁煙を思い出して検証してみてください。
あなたの場合、吸いたい気持ちは、いつごろ顔を出しましたか?
ニコチン依存状態だと、当日から、2,3日目までに吸いたい気持ちが強く出てきます。
そういう方は、禁煙を開始する前に、薬局で禁煙補助薬を購入しておいてくださいね。ニコチンの禁断症状(離脱症状)が出にくいので、落ち着いて禁煙に取り組めます。

あなたの生活は、禁煙で、大きく変わります。
禁断症状は、たまたま、直近のできごとにすぎせん。1月経ち、2月経ち、禁断症状は、
遠くの小さな記憶になって、消えていきます。
そして、あなたの生活は、周囲の人を巻き込んで、格段、素晴らしいものになってきます。
あなたが禁煙を選択すれば、家族や、周囲の人たちの癌のリスクを減らし、周囲の人をより健康にします。
不快な臭いをまき散らさなくなるので臭いで避けられることがなくなり、人間関係も、温かいものになっていきます。
 どうぞ、幸せな将来を想像しながら、今回こそ、禁煙に成功してくださいね。
あなたなら、できます!

**********************************
プロフィール:
阿部眞弓(あべ・まゆみ)東京女子医科大学病院「禁煙外来」医師・医学博士

東北大学医学部卒業、東京女子医科大学呼吸器内科勤務。1994年、東京女子医科大学病院に日本初の「禁煙外来」を開設。現在、シーエスケー・クリニックの院長として勤務の傍ら、東京女子医科大学病院にて「禁煙外来」を継続担当している。『卒園ネット』『禁煙Webクリニック』などのWeb禁煙プログラム、任天堂DSソフト『もしも!?禁煙するなら・・・』『らくらく禁煙アプリWii』などを監修。日本産業衛生学会「職域における喫煙対策研究会」代表世話人、日本呼吸器学会指導医・専門医・禁煙推進委員会委員長、NPO法人禁煙ネット理事長。専門領域:健康教育、予防医学、内科学。


カテゴリー : 喫煙対策を知る・学ぶ

キーワード : 喫煙対策の進め方